2020年と2025年の国勢調査から、暮らしの構成を見ていく
同じ集合住宅の中にも、いろいろな暮らしがあります。ひとりで帰ってくる部屋、夫婦で暮らす部屋、家族の靴が玄関に並ぶ部屋。
外から建物を見ているだけでは、そこに何人ずつ暮らしているのかは分かりません。人口の数字を見ていても、それだけでは見えにくい部分です。
今回は、宮城県の2020年と2025年の国勢調査を並べてみます。県の人口が減る一方で、一般世帯数は増え、その構成も変わっていました。
人口と世帯数は、違う方向に動いている
宮城県の一般世帯数は、2020年の980,549世帯から、2025年には1,006,560世帯になりました。5年間で26,011世帯、約2.7%の増加です。
一方、一般世帯の1世帯当たり人員は、2.30人から2.16人へ減っています。
| 項目 | 2020年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 一般世帯数 | 980,549世帯 | 1,006,560世帯 |
| 1世帯当たり人員 | 2.30人 | 2.16人 |
| 単独世帯数 | 362,255世帯 | 403,925世帯 |
| 単独世帯の割合 | 36.9% | 40.1% |
| 65歳以上の単独世帯数 | 102,567世帯 | 124,248世帯 |
| 夫婦のみの世帯数 | 181,513世帯 | 194,036世帯 |
※一般世帯は、施設入所者などから成る「施設等の世帯」を除いた区分です。単独世帯の割合は、一般世帯数を分母に計算しています。
人口が減ることと、世帯数が減ることは、同じではありません。今回の宮城県では、世帯の数は増えながら、一つの世帯に暮らす平均の人数は少なくなっています。
ただし、この数字だけで、住宅の戸数や空き家がどう変わったかまでは分かりません。世帯数と住宅の数は、分けて見ておきたい数字です。
ひとり暮らしは、一般世帯の4割に
宮城県の単独世帯は、362,255世帯から403,925世帯へ増えました。5年間で41,670世帯、約11.5%の増加です。
一般世帯に占める割合は、36.9%から40.1%へ上がりました。2025年には、一般世帯のおよそ4割が、ひとり暮らしの世帯になっています。
ここでいう4割は、「県民の4割がひとり暮らし」という意味ではありません。人数ではなく、世帯の数を分母にした割合です。
ひとり暮らしなら一人で一世帯。複数人で暮らしていても、その世帯は一世帯として数えます。同じ「割合」でも、何を数えているかで意味が変わります。
また、この表は宮城県全体の数字です。仙台市や県内の各市町村で、同じ割合になっているわけではありません。
年齢を分けると、増え方にも違いがある
単独世帯のうち、65歳以上の人がひとりで暮らす世帯は、102,567世帯から124,248世帯へ増えています。
5年間で21,681世帯、約21.1%の増加です。
65歳未満の単独世帯も、単独世帯全体から65歳以上の分を差し引くと、259,688世帯から279,677世帯へ増えました。増加率は約7.7%です。
どちらの年齢区分でも増えていますが、増加率は65歳以上の方が高くなっています。
ひとり暮らしと聞いて思い浮かべる部屋は、人によって違うかもしれません。学生の部屋、仕事から帰る部屋、長く住み続けている家。統計上の単独世帯は、年齢も、暮らしの経緯も異なる人たちを含んでいます。
今回の数字から確認できるのは、その数と年齢区分による変化までです。
夫婦ふたりの世帯も増えている
夫婦のみの世帯は、181,513世帯から194,036世帯へ増えました。5年間で12,523世帯、約6.9%の増加です。
一般世帯に占める割合も、約18.5%から約19.3%へ上がっています。
この区分は、夫婦一組だけで構成される世帯を数えたものです。全年齢を含むため、高齢の夫婦だけを表しているわけではありません。
単独世帯と夫婦のみの世帯を合わせると、2025年には一般世帯の約59.4%を占めます。
ひとり、あるいは夫婦ふたりで暮らす世帯が、合わせて6割近くある。その一方で、親と子など、ほかの構成で暮らす世帯もあります。県全体の平均の背後には、そうした違いが重なっています。
同じ建物の中にも、違う人数の暮らしがある
宮城県では、一般世帯数、単独世帯数、夫婦のみの世帯数が、いずれも2020年より増えました。一方、1世帯当たり人員は少なくなっています。
世帯が増えたという数字と、暮らす人数が小さくなったという数字。二つを並べると、人口の総数だけを見ていたときとは、少し違う景色になります。
集合住宅の窓に明かりがついても、その部屋に何人いるかは分かりません。ひとりで夕食をとる時間もあれば、ふたりで食卓を囲む時間もある。
同じ建物の中に、違う人数の暮らしがある。世帯の数字を見たあとでは、いつもの窓の明かりも、少し気になるかもしれません。
※出典:総務省統計局「2025年国勢調査・人口等基本集計」(2026年9月29日公表)、e-Stat。各年10月1日現在。世帯構成は2020年・2025年の不詳補完値で比較し、割合・増減率は小数第1位に丸めています。