2020年と2025年の国勢調査から、世帯の数と構成を見ていく
夕食を何人分つくるか。お米を何合炊くか。洗濯物をいつまとめて洗うか。
家の中では、一緒に暮らす人数が、日々の小さな段取りに関わっています。ふだんは数えるまでもない人数ですが、県全体で集めてみると、暮らしの構成を知る数字になります。
今回は、岩手県の2020年と2025年の国勢調査を並べてみます。一般世帯の総数は少し減りましたが、ひとり暮らしと夫婦のみの世帯は、どちらも増えていました。
世帯全体と、その内訳は違う動きをしている
岩手県の一般世帯数は、2020年の490,828世帯から、2025年には485,627世帯になりました。5年間で5,201世帯、約1.1%の減少です。
その内訳を見ると、単独世帯は163,290世帯から176,634世帯へ、夫婦のみの世帯は95,119世帯から98,660世帯へ増えています。
| 項目 | 2020年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 一般世帯数 | 490,828世帯 | 485,627世帯 |
| 1世帯当たり人員 | 2.39人 | 2.24人 |
| 単独世帯数 | 163,290世帯 | 176,634世帯 |
| 単独世帯の割合 | 33.3% | 36.4% |
| 65歳以上の単独世帯数 | 64,061世帯 | 73,941世帯 |
| 夫婦のみの世帯数 | 95,119世帯 | 98,660世帯 |
※一般世帯は、施設入所者などから成る「施設等の世帯」を除いた区分です。単独世帯の割合は、一般世帯数を分母に計算しています。
「世帯が減った」という一言だけでは、この二つの増加は見えてきません。
県全体の世帯数と、どのような構成で暮らしているか。同じ世帯の数字でも、見ているものが少し違います。
ひとり暮らしは、一般世帯の36.4%に
岩手県の単独世帯は、5年間で13,344世帯増えました。増加率は約8.2%です。
一般世帯に占める割合も、33.3%から36.4%へ上がりました。2025年には、一般世帯の3分の1を超える割合が、ひとり暮らしの世帯になっています。
ただし、「単独世帯」は一人で暮らす世帯を表す区分です。未婚の人だけを数えているわけではなく、その人がひとりで暮らすようになった理由まで、この数字から分かるわけでもありません。
ここではまず、岩手県でひとり暮らしの数と割合が、ともに増えたことを確かめておきます。
年齢を分けると、もう一つの変化が見える
単独世帯のうち、65歳以上の人がひとりで暮らす世帯は、64,061世帯から73,941世帯へ増えています。
5年間で9,880世帯、約15.4%の増加です。単独世帯全体の増加率である約8.2%より、高い伸びとなりました。
一方、65歳未満の単独世帯も、単独世帯全体から65歳以上の分を差し引くと、99,229世帯から102,693世帯へ増えています。
つまり、ひとり暮らしの増加は、65歳以上だけに限られた動きではありません。ただ、年齢で分けて見ると、増え方には違いがあります。
なお、65歳以上の単独世帯は、単独世帯全体に含まれています。二つを足し合わせると、同じ世帯を重ねて数えることになります。
夫婦のみの世帯も増えている
夫婦のみの世帯は、95,119世帯から98,660世帯へ、3,541世帯増えました。増加率は約3.7%です。
一般世帯に占める割合は、約19.4%から約20.3%へ上がっています。
こちらは、夫婦一組だけで構成される世帯を数えたものです。全年齢を含むため、高齢の夫婦だけの数字ではありません。また、子どもがいるかどうか、別に暮らしているかどうかも、この区分だけでは分かりません。
ひとり暮らしと夫婦のみの世帯を合わせると、2025年には一般世帯の約56.7%を占めます。
ただし、二人暮らしには夫婦以外の組み合わせもあります。「夫婦のみの世帯」と「二人世帯」は、同じ範囲を表す言葉ではありません。
平均の人数と、それぞれの家
一般世帯の1世帯当たり人員は、2020年の2.39人から、2025年には2.24人へ減りました。
県全体を平均すると、一つの世帯に暮らす人数は少なくなっています。ただ、平均の数字と同じ人数で暮らす家があるわけではありません。
ひとりで暮らす世帯があり、夫婦だけの世帯があり、親と子、あるいは複数の世代で暮らす世帯もある。その組み合わせを集めたところに、2.24人という数字が出てきます。
夕食を一人分つくる家と、何人分もつくる家。県全体の数字を見たあとで、もう一度それぞれの台所を思い浮かべると、「世帯」という言葉も少し身近になります。
今夜は何合炊こうか。暮らしの人数は、そんな小さな段取りの中にもあります。
※出典:総務省統計局「2025年国勢調査・人口等基本集計」(2026年9月29日公表)、e-Stat。各年10月1日現在。世帯構成は2020年・2025年の不詳補完値で比較し、割合・増減率は小数第1位に丸めています。