2020年と2025年の国勢調査から、世帯数と暮らしの人数を見ていく
夕飯を一人分だけ作る。二人分なら、少し多めに作って翌日に回す。家族の帰宅時間に合わせて、何度か温め直す。
同じ夕飯の支度でも、誰と何人で暮らしているかによって、段取りは変わります。
人口の増減とは少し違う角度から、福島県の暮らしを見てみます。2020年と2025年の国勢調査を並べると、世帯全体の数と、その内訳は同じ方向に動いていませんでした。
世帯全体は減り、ひとりとふたりの世帯は増えた
福島県の一般世帯数は、2020年の74万89世帯から、2025年の73万3,660世帯へと減りました。5年間で6,429世帯、0.9%の減少です。
一方、一人で暮らす「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」は、どちらも増えています。
| 指標 | 2020年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 一般世帯数 | 740,089世帯 | 733,660世帯 |
| 単独世帯 | 245,335世帯 | 263,231世帯 |
| うち65歳以上の単独世帯 | 91,529世帯 | 107,057世帯 |
| 夫婦のみの世帯 | 143,156世帯 | 149,866世帯 |
| 1世帯当たり人員 | 2.42人 | 2.27人 |
世帯全体が減ったからといって、すべての種類の世帯が減るわけではありません。総数の内側では、暮らしの組み合わせが変わっています。
ひとり暮らしは26万世帯を超えた
単独世帯は、24万5,335世帯から26万3,231世帯へと増えました。増加は1万7,896世帯、7.3%です。
一般世帯に占める割合も、33.1%から35.9%へと上がりました。2025年には、およそ3世帯に1世帯がひとり暮らしです。
この割合は、世帯数をもとにしたものです。県民の35.9%が一人で暮らしているという意味ではありません。
一人で暮らす事情や期間も、人によって異なります。今回の数字だけでは、進学や就職、家族との別居など、個別の背景までは分かりません。
年齢を分けると、増え方に違いがある
単独世帯のうち、65歳以上の人が暮らす世帯は、9万1,529世帯から10万7,057世帯へと増えました。5年間で1万5,528世帯、17.0%の増加です。
一般世帯全体に占める割合は、12.4%から14.6%になりました。
一方、65歳未満の単独世帯は、15万3,806世帯から15万6,174世帯へと増えています。増加は2,368世帯、1.5%です。
ひとり暮らしは両方の年齢区分で増えていますが、増加の大きさには差があります。ただし、65歳以上の人口そのものの変化も関わるため、この数字だけで「高齢者が一人で暮らす割合が上がった」とは判断できません。
夫婦のみの世帯は、約5世帯に1世帯
夫婦のみの世帯は、14万3,156世帯から14万9,866世帯へと増えました。増加は6,710世帯、4.7%です。
一般世帯に占める割合は、19.3%から20.4%へと上がっています。
この区分には、さまざまな年齢の夫婦が含まれます。子どもが別の場所で暮らしている場合もあり、「夫婦のみ」という区分から、子どもの有無までは分かりません。
単独世帯と夫婦のみの世帯を合わせると、2025年には一般世帯の56.3%になります。ただし、親子やきょうだいなど、夫婦以外の二人暮らしはこの合計に含まれません。
県全体の数字から、それぞれの地域へ
1世帯当たりの人員は、2.42人から2.27人へと少なくなりました。
世帯の人数が変われば、食料品の量、部屋の使い方、家事の分担などにも違いが生まれます。ただ、平均2.27人という数字が、そのまま一つひとつの家庭の姿を表すわけではありません。
今回の集計は福島県全体です。中通り、会津、浜通り、さらに市町村や地区へと分けたとき、どのような違いがあるのか。住まいの種類や交通、買い物の環境も重ねて見ていきたいところです。
今夜は何人分を作ろうか。県全体の数字を確かめたあとに、いつもの台所へ戻ってみる。その間にも、まだ見てみたい暮らしがあります。
※出典:総務省統計局「2025年国勢調査・人口等基本集計」(2026年9月29日公表)、e-Stat。各年10月1日現在。世帯構成は2020年・2025年の不詳補完値(2020年は同じ補完方法による遡及集計)で比較。1世帯当たり人員は「結果の概要」表Ⅰ-5-1によります。割合・増減率は小数第1位に丸めています。