日々東北現代|ARTICLE

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震災後も続く人口構造の変化

福島県の人口減少をどう見るか 震災後の移動と若い女性の流出

福島県の人口は、2015年の約191万4千人から、2020年には約183万3千人となりました。5年間で約8万1千人、割合にして約4.2%の減少です。人数では、東北6県の中でも大きな人口減少となっています。

福島県の人口動態を考える際には、全国共通の少子高齢化に加え、東日本大震災と原子力災害による避難や地域移動の影響を切り離すことができません。

震災後も続く人口構造の変化

2011年の東日本大震災と原子力災害では、多くの住民が県内外への避難を余儀なくされました。その後、避難指示の解除や住環境の整備が進み、帰還した住民もいます。一方、避難先ですでに仕事や学校、住まいを確保し、新しい生活を築いた人もいます。住民票の所在地と実際の居住地が一致しない場合もあり、数字だけでは地域の実態を把握しにくいことが、福島県の人口問題の特徴です。

人口が戻ったかどうかだけでなく、生活、仕事、医療、教育、地域とのつながりが回復しているかを見る必要があります。

若年層、とりわけ女性の流出

福島県では、15歳から24歳を中心とした若年層の転出超過が続いています。進学や就職をきっかけとして、仙台市や首都圏へ移る人が多く、なかでも若い女性の県外流出が目立つとされています。若い女性の転出は、単に一つの年代の人口が減るという問題ではありません。地域の職業選択、賃金、働き方、固定的な役割意識などが、若い世代からどのように見えているかという問題でもあります。

「地元に仕事があるか」だけではなく、「自分が希望する生き方を選べるか」が、居住地を選ぶ重要な条件になっています。

一つの県の中に異なる人口課題がある

福島県は、浜通り、中通り、会津で地理や産業、交通、震災の影響が大きく異なります。中通りには福島市や郡山市などの都市があり、県内人口を一定程度受け止めています。会津では高齢化や中山間地域の暮らしの維持が課題です。浜通りでは、震災と原子力災害からの復興、帰還、移住、産業再生が続いています。そのため、福島県全体を一つの人口対策で扱うことはできません。

地域ごとに、誰が住み、どのような仕事があり、どの生活機能が不足しているのかを捉える必要があります。

復興施設や住宅を将来まで使えるか

復興の過程では、住宅、道路、公共施設、産業団地など、多くの基盤が整備されました。しかし、施設をつくる段階から、将来どのように使い続けるかという段階へ課題は移っています。人口が減少するなかで、建物や設備の維持費を誰が負担するのか。地域外から働きに来る人が、住民として定着する仕組みをつくれるのか。既存住民と移住者が、どのように地域をつくっていくのか。ハード整備だけでは解決できない課題が残されています。福島県の人口減少には、少子高齢化、若者流出、震災からの復興という複数の要因があります。必要なのは、震災前の人口へ戻すことだけを目標にするのではなく、現在住んでいる人と、これから関わる人が暮らし続けられる地域をつくることです。

人口の回復だけでなく、生活と地域社会の再構築まで含めて考えることが、福島県のこれからにつながります。

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