日々東北現代|ARTICLE

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岩手の地酒を、少し考えてみた。

酒米から見えてくる、岩手の酒造り

岩手の日本酒を眺めていると、ひとつの県の中にも、いろいろな酒造りがあることに気づきます。

2024酒造年度に、実際に清酒を製造した場数は21場。

数字だけを見ると、その数が多いのか少ないのか、少し分かりにくいところもあります。ただ、酒蔵の名前をいくつか並べてみると、南部美人、菊の司、赤武、酔仙、月の輪、吾妻嶺など、それぞれ違った名前が出てきます。元の原稿でも、こうした蔵や銘柄の違いが岩手の地酒の特徴として挙げられていました。

ひとつの「岩手の味」にまとめるより、いくつかの酒造りが並んでいると考えたほうが、今の岩手には近いのかもしれません。

岩手で育てられてきた酒米

その違いを考えるとき、酒米にも目が向きます。

岩手県で育成された酒造好適米のひとつが「吟ぎんが」。

岩手県農業研究センターで育成され、1999年に県の奨励品種に採用されました。美山錦と比べて耐冷性や耐倒伏性に優れ、大粒で心白の発現も良好とされています。その翌年には、もうひとつの酒造好適米「ぎんおとめ」も県の奨励品種に採用されています。こちらは早生の酒造好適米として育成されたものです。日本酒を飲むときには、どうしても完成した酒の味に目が向きます。

でも、その前には米を育てる仕事がある。

そう考えてみると、岩手の地酒も、酒蔵だけで完結しているものではないことが見えてきます。

ひとまとめにしない岩手の地酒

元の原稿では、内陸と沿岸での違いや、老舗と新しい蔵の存在にも触れていました。

もちろん、地域だけで酒の味が決まるわけではありません。それでも、どこで米がつくられ、どこで酒になり、どんな名前で届けられているのかを追ってみると、「岩手の地酒」という言葉の中に、いくつもの風景が重なっているように感じます。全部の違いを説明できなくても、名前を並べてみたり、酒米を調べてみたりする。

そんなところから眺めていくと、岩手の日本酒は、ひとつの答えにまとめるよりも、それぞれの違いを残したまま考えてみたほうが面白いのかもしれません。

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