日々東北現代|ARTICLE

日々東北現代|ARTICLE

04|幅630mmの水回り。カシオペアのトイレ兼洗面台を実測する

10号車2番室の中でも、特に興味深かったのがトイレと洗面台をまとめた水回りだった。客室そのものが限られた空間で成立している以上、水回りに使える面積はさらに小さい。それでも、便器と洗面という二つの機能が一つの空間に収められている。今回は、そのつくりを実際に測りながら見ていく。

※以下の寸法は現地での実測値であり、車両の公式図面上の寸法ではありません。

幅約630mm、奥行約790mm

床面の実測では、横方向がおよそ630mm、奥行きがおよそ790mm。

かなりコンパクトな空間だ。しかし、単に小さなトイレをつくっているわけではない。ここには洗面機能まで同居している。限られた面積の中で二つの用途を成立させるため、重要になるのが洗面台のつくり方だった。

洗面台は約430×425mm

洗面台は、実測でおよそ幅430mm、奥行425mm。

決して極端に小さいわけではない。ただし、このサイズの洗面台を常に手前へ出したままにすると、便器まわりの動線を大きく圧迫する。そこで、この洗面台は使わないときには壁側へ畳める構造になっている。

閉じた状態では約840mm

洗面台を閉じた状態では、奥側までおよそ840mmの余裕がある。洗面機能を使わない時間は、洗面台そのものを壁側へ逃がすことで、便器まわりの空間を確保する。つまり、この水回りは「トイレと洗面を同時に広く使う」のではなく、必要な機能だけをその都度前面に出す構成になっている。

開くと約485mm。約355mmの差が生まれる

洗面台を開くと、奥側までの距離はおよそ485mmになる。閉じた状態の約840mmと比べると、その差は約355mm。数字にすると、洗面台の開閉がこの小さな空間にどれだけ大きな影響を与えているのかがよく分かる。洗面を使うときは、その分だけ動線を洗面台に譲る。使い終われば閉じて、再びトイレ側の余白を取り戻す。

客室と同じ、「機能を重ねる」発想

03で見た客室では、「座る」と「寝る」を同じ場所に重ねていた。この水回りでは、「トイレ」と「洗面」を同じ場所に重ねている。限られた面積だからといって、単純に機能を減らすのではない。同時に使わないものを、時間によって切り替える。カシオペア10号車2番室では、この考え方が客室から水回りまで一貫している。

「広くする」のではなく、「切り替えられるようにする」

幅約630mm、奥行約790mm。

その中に、約430×425mmの洗面台を収める。そして、洗面台を閉じれば約840mm、開けば約485mm。この数字だけを見ると、かなりタイトな空間だ。それでも実際に機能しているのは、空間そのものを広くするのではなく、用途に合わせて使える範囲を切り替えているからだと思う。小さな空間ほど、「何を置くか」より「いつ使うか」が重要になる。カシオペアの水回りは、その考え方が非常に分かりやすく表れた場所だった。

次回からは、空間から少し視点を変える。

05|カシオペアで味わう弁当【全編】

上部へスクロール